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オリバ通信

2023年07月12日 / 病気のあれこれ / 犬のよくある病気・疾患 / 猫のよくある病気・疾患 / 皮膚科

痒いマラセチア性皮膚炎の症状と原因、治療について|獣医師が解説


豊橋市、豊川市、新城市、田原市、浜松市、湖西市のみなさんこんにちは。
愛知県豊橋市オリバ犬猫病院です。
今回は、マラセチア性皮膚炎の症状と原因、当院での治療について説明をさせていただきます。

最近、愛犬、愛猫の体ツンとした臭いしませんか?
体べたついていたり、痒がっていませんか?



    
皮膚を痒がって、臭う場合マラセチア性皮膚炎かもしれません!
マラセチア性皮膚炎とは、常在菌であるマラセチア菌の過剰増殖によって引き起こされます。
マラセチア菌はカビの一種で、増殖した際の臭いに特徴があります。
免疫系の問題、アレルギー、内分泌の異常、皮脂の異常な分泌など、さまざまな要因により引き起こる症状です。

<症状>

・皮膚の赤み

・かゆみや刺激

・皮膚の硬化

・脱毛

・異臭などがあります。

特に春から夏に発症する患者が多く、耳、足、顔、肘や腿の折り目などの特定の部位に症状が現れることが多いです。

 

<検査>

 

皮膚スクレイピングやテープ押し付け法といった皮膚サンプルを取り、顕微鏡下でマラセチア菌の存在を確認します。
他にも、皮膚症状を起こす基礎疾患が他に潜んでないか、必要に応じて血液検査、皮膚病理検査などを行います。これにより、正確な診断を行い、適切な治療法を決定します。

 

<治療法>

 

マラセチア性皮膚炎の治療は、症状の緩和と皮膚の常在菌(マラセチア等)をコントロールを目指します。

①投薬による治療

内服薬による抗生物質や、抗真菌薬を処方します。場合によっては痒みを伴う皮膚炎なので痒み止めの薬を処方します。
必要に応じて潜在的な疾患がある場合(アレルギーや内分泌異常など)の治療も行います。

 

②シャンプーによる治療

抗菌作用のある薬用のシャンプーを使って皮膚の常在菌をコントロールします。
薬用のシャンプーは細菌や、汚れ、フケ、脂を洗い流してくれる効果がありますが、それと同時に皮膚のバリア機能に大切な皮脂も一緒に洗い落としてしまいます。その為、皮膚が乾燥し皮膚炎が悪化することがあるので、当院では皮膚の状態に応じて薬用シャンプーと保湿剤をセットで処方することがあります。
皮膚炎がある間は1週間に2回のシャンプー療法を指導します。
毛が長く伸びて絡まり毛玉がある時は、バリカンなどで毛を短くして洗いやすく、蒸れにくくする場合もあります。

△注意点

・シャンプー後に泡の洗い残し、半乾きなどがあると症状が悪化し、他の皮膚病を発症する場合があります。

しっかりシャンプーを洗い流して、毛の内側までタオルで水分を拭き取りドライヤーで乾かして下さい。

・水の温度、ドライヤーの温度にも注意が必要になります。温かい水やドライヤーの温風で乾かすと血流を良くしすぎてしまって、皮膚の乾燥、痒みが増してしまい掻きむしって症状が悪化してしまうので注意が必要です。 

 

再発、発症を防ぐ為にも定期的なシャンプーやブラッシングによる皮膚のチェックが重要です。これは、皮膚の健康を維持し、愛犬の快適さを保つための基本的なステップです。皮膚の問題は早期に対処することで、より重大な健康問題を防ぐことが可能です。
皮膚に問題が見つかったら病院へご来院下さい

<当院の治療例>
マラセチア性皮膚炎(その他の合併症もあり)患者(シーズー)治療前(Befor)

現在患者の皮膚(after)

 


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