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オリバ通信

2022年07月22日 / 病気のあれこれ / 犬のよくある病気・疾患 / 循環器科

犬の僧帽弁閉鎖不全症の症状と原因,治療について|獣医師が解説



豊橋市、豊川市、新城市、田原市、浜松市、湖西市のみなさんこんにちは。
愛知県豊橋市のオリバ犬猫病院の獣医師の佐久間です。
今回は、犬の僧帽弁閉鎖不全症の症状と原因、当院での治療について説明をさせていただきます。

*こういう症状あれば怪しい…*
安静にしていても心拍数が多い
咳が出る
運動をしなくなった
興奮したら倒れた
舌が紫色

*僧帽弁閉鎖不全症とは*

まず、僧帽弁とは、心臓の左心房と左心室の間にある弁で、心臓の動きに合わせて開閉し、血液の逆流を防ぎます。僧帽弁閉鎖不全症は、その僧帽弁が正常に閉じないため、左心室が全身に血液を送ろうとしているのに、一部の血液が左心房に逆流してしまう病気です。

*心不全の進行と検査*

この病気は、初期段階では症状がほぼ出ませんが、聴診器をあてると正常の心臓の音に加えて、血液の逆流する音が聞こえるようになります。また、血液の一部が逆流してしまうために左心室から全身に送られる血液の量が少なくなり、安静にしているときでも心拍数が増えます。この状態は心臓の超音波(エコー)検査で逆流の様子を見ることができます。

進行すると咳が出るようになります。これは左心房が大きくなり、隣にある気管を圧迫することにより出る症状です。この状態はX線(レントゲン)検査で画像を見ることができます。また、運動を嫌がる、興奮時に倒れるといった症状もあらわれることがあります。

さらに悪化すると左心房への血液の逆流が多く、肺から左心房へ送られる血液が入りきらなくなり、肺に血液成分が溜まってしまう肺水腫という状態になります。肺水腫になると呼吸による酸素の取り込みが正常に行われず、呼吸困難になります。わかりやすい症状としては、舌が紫色に変色する、苦しそうにしている様子が見られます。このような状態になったら早急に治療が必要です。

*豊橋市のオリバ犬猫病院の僧帽弁閉鎖不全症の治療*

僧帽弁閉鎖不全症は手術が適応になる場合もありますが、非常に難しい手術であるため、出来る病院が少ないこと、合併症の危険があることなどから手術ではなく薬で治療していくケースがほとんどです。薬によって完治する病気ではありませんが、症状が軽いうちから薬を飲むことで心臓の機能をサポートし、負担を軽減してあげることで病気の進行を遅くすることができます。

 

咳をするようになった、運動をしなくなった、ということがあれば、一度検査をしましょう。

小型犬での発症が多く、小型犬を飼われている方には特に気を付けていただきたい病気の一つです。

治療中の方も、症状がひどくなったなと感じた場合はすぐご相談ください。

早期発見・早期治療で元気に長生きしましょう。


 

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