お知らせ
2020年06月01日 / 病気のあれこれ
夏に多い肺水腫
・肺水腫とは
酸素交換を行う肺の肺胞や、その他の肺を支える部分に血液成分が溜まってしまい肺の機能不全に陥る事を言います。緊急性のある病気で突然死も起こりえる病気です。
特に心臓疾患のある犬猫はこれから暑くなる時期は要注意です!
犬に多い心臓疾患で僧帽弁閉鎖不全症があります。
左心房と左心室を区切っている弁(僧帽弁)が年齢を重ねるごとに変性してくることでだんだん閉まりがわるくなる病気が僧帽弁閉鎖不全症になります。
そうなる事で血液の逆流が心臓内で起こり、一回の収縮で心臓内の血液を出し切る事ができなくなります。本来なら肺から心臓に戻るはずの血液が、心臓内の血液が空にならないために肺に溜まってしまいます。その結果、血液成分が肺胞内へ滲み出る事で肺水腫になります。
肺水腫は、急激に悪化し、突然死の危険もある病気です。
・原因
大きく分けて2つ
❶心臓病が原因の心原性肺水腫
⚫︎ 心不全 ⚫︎ 僧帽弁閉鎖不全症
⚫︎拡張型心筋症など
❷心臓病以外が原因の非心原性肺水腫
⚫︎煙、毒物の吸引 ⚫︎感電(電気のコードを噛む) ⚫︎重度な炎症 ⚫︎腫瘍
⚫︎チョークチェーン(犬が引っ張ると首が閉まるタイプの首輪)による気道の閉塞
・症状
⚫︎呼吸が荒い
⚫︎舌の色が(チアノーゼ)白いor紫色
⚫︎大量のよだれ
⚫︎食欲が減る
⚫︎咳
⚫︎前足を突っ張った状態で座る
⚫︎横の姿勢だと苦しそう
⚫︎呼吸が荒い
・治療法
まずはとにかく肺に溜まった水を抜く事が必要です。本人は溺れたような状態でかなり苦くなります。心臓疾患が原因の場合は肺の水を抜きながら心臓の治療を同時進行で行います。
最終的には心臓の薬だけで肺に水が溜まらなくなれば退院です。
・予防
これから気温が上がり、心臓の負担が上昇する事で肺水腫につながります。
特に心臓の悪い子は日中の散歩はしない、エアコンは24時間(人は寒いくらいでOK)、心臓の内服薬は絶対に切れないようにを気をつける。
何度も言いますが緊急性のある状態です。「昨日から呼吸が荒かったが1日様子を見た」とのことで来院された時には「時すでに遅し」という事になりかねません。上のような症状が1つでも確認できたり、様子がおかしかったらすぐご来院下さい。
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