外科
こんな症状はありませんか?
- 動きたがらない
- どこかが痛そう
- 歩き方がいつもと違う
- お腹がはってる
- 脱臼・骨折したかも
上記の症状に心当たりがある場合は
愛犬・愛猫が整形外科系の疾患にかかっている可能性がございます。
整形外科系の病気について
よくある症例として骨折や脱臼などがあります
-
骨折は、子犬の時期や四肢の細い小型犬に起こりやすく、また高い所から落下したなどの外傷でも起こります。
骨折した場合、直後から折れた足を痛がり地面に足を付けなくなります。もしそうなった場合はすぐに病院へ行く必要があります。
骨折したまま動いてしまうと骨折箇所が悪化し最悪の場合、断脚にもなりかねませんので、病院でレントゲンを撮り骨折箇所の確認をして緊急的な固定が必要となります。 人のギプスのような固定を行ったり、場合によっては手術が必要となる事があります。
骨折箇所の程度によって術式は様々ありますが、骨のズレを戻しプレートやピンなどで強固な固定をおこないます。
迅速で正確な処置が骨折では重要となります。 -
膝蓋骨脱臼(パテラ)・・・
脱臼の中でも特に多いものとして、膝蓋骨(膝の皿)の脱臼があります。比較的小型犬に多く、後ろ足を挙げてケンケンしているなどの症状が見られますが、一方でなかなか症状が出ず、脱臼に気づかない事もあります。
気づかずに放置していた場合、骨の変形や十字靭帯の断裂の引き起こして歩行困難となる事もあります。
脱臼の程度(グレード1~4)にもよりますが、根本的な治療方法としては手術が適応となり、十字靭帯の断裂も引き起こしている場合は膝蓋骨と十字靭帯の整復を同時に行います。
以下にグレードの分類を解説します。
グレード1:手で膝蓋骨を脱臼させることができますが、放すと自然に正常な位置に戻ります。
グレード2:膝蓋骨は脱臼していますが、手で戻すと膝蓋骨は正常な位置に戻ります。
グレード3:膝蓋骨はほぼ脱臼したままですが、手で正常な位置に戻してもすぐに脱臼します。大腿骨(太ももの骨)や脛骨(すねの骨)の変形を伴うこともあります。
グレード4:膝蓋骨は常に脱臼したままであり、手で元の位置に戻すことはできません。骨の変形は重度になります。
当院では膝蓋骨脱臼に関する骨の変形や関節炎の程度を評価するためにレントゲン検査を実施する事もあります。
当院の整形外科疾患の治療
-
骨折の治療・・・
まずは骨折箇所の正確な状態を把握します。月齢や骨折箇所、骨折の種類によって治療方が異なります。
成長期で骨の活動が活発で骨にズレなどがない場合は、人のギプスのようなもので固定して経過観察する事もあります。不要な手術は骨折箇所の感染を引き起こすリスクがあります。
骨折の箇所や程度が酷く、骨にズレなどがある場合は手術を必要としプレートやピンなどを用いて強固な固定を行います。定期的な画像診断も行い骨の再生状況の応じた処置も必要となります。 -
膝蓋骨脱臼の治療・・・
根本的な治療は手術が適応となりますが、程度によっては内科的に治療して経過観察する事もあります。
例えばグレード1の軽症で明らかに肥満であったり、爪や肉球の間の毛が伸びすぎている、フローリングを滑るように走る、ソファーによく飛び乗るなどの原因がある場合はまずこれらの改善から始まります。
それ以上のグレードで歩行に問題が出たり、痛みが出る時は手術を行います。膝の曲げ伸ばしは膝蓋骨(膝の皿)が上下に動く事で可能となります。膝蓋骨が上下に動く為の溝が大腿骨(太ももの骨)にあり、その溝が浅い為に膝蓋骨の脱臼が起こります。
グレードによっても術式は様々変わりますが、浅い溝を深くする事で膝蓋骨が脱臼しないようにする事が基本の手術となります。
外科専門医のご紹介
非常勤獣医師
岩田宗峻(いわたむねたか)
獣医師 博士(獣医学)
所属
岐阜大学 応用生物科学部 共同獣医学科獣医臨床放射線学研究室 助教
担当科
整形外科、神経外科・内科、軟部外科略歴
2010:日本大学 生物資源科学部 獣医学科卒業2014:日本獣医生命科学大学大学院 獣医学専攻博士課程修了
2014:博士(獣医学)取得
2014~現在:日本獣医生命科学大学 大学院特別研究生
2014~2017:東京都内動物病院勤務
2017~2018:大阪府立大学 獣医臨床センター 勤務獣医師・特任助教
2018~現在:現職
主な研究論文
主な学術発表
受賞歴
当院の治療の流れ
当院で腫瘍の治療前にしっかりと問診と身体検査を行い、飼い主様の不安と疑問が解消できてからの処置となります。少しでも不安や疑問がある場合は何でも聞いて下さい。
解決できるまで何度でも説明します!
-
- 初めての来院時
- まずはしっかりと問診と一般身体検査をし、状態を把握します。
画像診断をして骨や関節の状態を把握し緊急的に必要な処置を行います。
-
- 治療の開始
- 画像診断の結果に基づき治療が開始となります。手術以外の治療方か外科的な治療になります。
外科的な治療方の場合は、しっかりと状態を把握して骨折や脱臼にあった手術の準備が必要となります。
-
- 治療の評価
- 整形外科の手術は手術後の管理も大変重要となります。
安静にしているだけでは骨の治りが悪い事もあり、定期的な画像診断を行いながら状態によっては骨に徐々に負荷をかけて再生を促す事もします。
-
- 治療終了
- 骨の状態が良くなり運動制限もなくなると、リハビリも開始します。
骨や関節の問題は体重管理や家での環境も重要となる為、アドバイスもさせていただきます。