循環器科
こんな症状はありませんか?
- 散歩が短くなった(運動を嫌がる)
- すぐ呼吸が荒くなる
- 咳をする
- 毛並みが悪くなった
上記の症状に心当たりがある場合は
愛犬・愛猫が循環器系(心臓病)の疾患にかかっている可能性がございます。
循環器系の病気について
ワンちゃんの場合、よくある病気として僧帽弁閉鎖不全症があります
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僧帽弁閉鎖不全症とは犬の心臓病で最も多い進行性の心臓病です。
特に高齢の小型犬に多く、診察時に「心雑音があります」と言われるほとんどの原因が僧帽弁閉鎖不全症です。
心臓は4つの部屋に分かれており、収縮時に心臓内の血流を一方通行にして逆流を防ぐ「弁」が存在します。
通常、その「弁」をしっかりと閉じることで血流の一方通行が保たれていますが、「弁」に変性が起こる事で心臓内に逆流が生じ、その逆流が心雑音として聞こえます。
血液が逆流してきた部屋には圧がかかり、心臓の筋肉を内側から押し広げるため「心拡大」がおこります。
治療では、投薬前に心臓の評価をして病気のステージと症状に合った投薬を生涯継続していくことが必要となります。
投薬を開始すると「元気になったから薬をやめる」という事ができません。
基本的に治る事のない病気ですので、予防と早期発見が重要となります。
ネコちゃんの場合、よくある病気として肥大型心筋症があります
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肥大型心筋症とは猫の心臓病で最も多く、症状や心雑音が全くなくても約1割の猫が罹患している病気です。
生後数か月から高齢までどの年齢でもなり得ますが、特に大型種の猫に見られます。
心臓は全てが筋肉でできており「収縮」と「弛緩」を繰り返す事で血液を全身に送ります。その心臓の筋肉(=心筋)のタンパク質に異常が起こる事で「収縮」と「弛緩」の働きがしっかりとできなくなり、心臓の機能低下が起こります。
機能低下を起こした心臓は「心筋を増やす=心肥大」する事で心臓の働きをカバーしようとしますが、増えすぎる、かつ大きすぎる筋肉は柔軟性がなく「筋肉がありすぎて動きづらい」状態になり心筋の機能改善にはなりません。
心筋を増やし心肥大を起こしたのに機能の改善がないので、心筋はさらに肥大しようとします。この悪循環が永遠に続くため治る事がありません。
悪循環の進行を少しでもゆっくりにするために、病気のステージと症状に合った投薬が生涯必要となります。
当院の循環器疾患の治療
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内科療法・・・
まずは心臓機能の評価をしっかりと行います。現在の症状、一般身体検査、血液検査、レントゲン検査、エコー検査を合わせて現時点での心臓の状態を把握します。
その上で状態に合った薬をご提案させていただきます。治る事がなく生涯にわたって薬が必要な治療のため飼い主様の時間や、費用的な問題の相談にも対応いたします。
定期的に状態をモニタリングし、進行度に合った薬が随時必要となっていきます。 -
外科療法・・・
外科的な治療には専門の設備が必要とされるため、手術できる病院がかなり限られます。
当院では、希望される飼い主様に他院を紹介します。
当院の治療の流れ
当院では治療前にしっかりと問診、身体検査、各種検査を行い、飼い主様の不安と疑問が解消できてからの治療となります。少しでも不安や疑問がある場合は何でも聞いて下さい。解決できるまで何度でも説明します!
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- 初めての来院時
- まずはしっかり問診と一般身体検査、血液検査、レントゲン検査、エコー検査を行い、治療前の心臓の評価をします。
また他臓器にも影響が出ていないか、合わせて確認をします。
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- 内科療法の場合
- 心臓の評価と症状を照らし合わせ、投薬治療が開始となります。
心臓以外に異常が出ている場合も合わせて治療が必要です。
生涯にわたって薬が必要なため、飼い主様の時間や費用的な問題の相談にも対応いたします。
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- 定期的なモニタリング
- 投薬を開始して終了ではありません。
定期的な心臓の評価と他臓器のモニタリングが今後の生存期間に影響します。
薬を開始して調子が良くなっても、ゆっくりと病態は進行していきます。
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- 治療の安定期
- 投薬量が決まり治療が安定すると、「年のせい」と思っていたのが元気になったり、食欲が戻ったというお話をうかがいます。
可能な限り元気な姿いられるよう、全力でサポートさせて頂きます。