フィラリア症とは?予防と治療について知ろう!
豊橋市、豊川市、蒲郡市、新城市、田原市、浜松市、湖西市のみなさんこんにちは。
愛知県豊橋市のオリバ犬猫病院の院長辻元です。
今回は、犬のフィラリア検査の必要性について説明をさせていただきます。
<フィラリアとは?>
犬を飼っている方なら一度は耳にしたことがある「フィラリア」。
正式には犬糸状虫といい、蚊を媒介して心臓や肺の血管に寄生する寄生虫です。
人間や猫にも感染することがあり、人獣共通感染症のひとつとして知られています。
< 蚊がいる時期・場所は?>
蚊は 20℃~30℃ の気温を好み、春から秋にかけて活発に活動します。
「冬なら安心」と思われがちですが、暖房の効いた室内では越冬することも。
蚊が発生しやすい場所
✅ プランター・水たまり(湿気が多い場所)
✅ 地下・通気性の悪い場所(ジメジメした環境)
✅ 高層マンションの上層階(エレベーターや人の服にくっついて侵入)
💡 散歩中に刺されることが多いので、特に注意しましょう!
🔄 フィラリアの寄生サイクル
1️⃣ フィラリアに感染した犬の血を蚊が吸う
2️⃣ フィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)が蚊の体内で成長
3️⃣ 蚊が健康な犬の血を吸う際に幼虫を体内へ送り込む
4️⃣ 幼虫は体内を移動し、約3か月かけて心臓・肺動脈に寄生
5️⃣ 寄生後、約3か月で成虫となり、大量のミクロフィラリアを産む
6️⃣ 感染した犬の血を再び蚊が吸い、ほかの犬へ感染が広がる
このサイクルが繰り返され、感染が拡大します。
< フィラリアが寄生すると?>
フィラリアは心臓や肺の血管に寄生し、循環器・肺・心臓の機能を低下させます。
・主な症状
⚡ 軽い運動で疲れやすい
⚡ 食欲不振・元気がない
⚡ 呼吸困難
⚡ 赤い尿が出る
⚡ お腹が膨れる(腹水の貯留)
⚡ 大静脈症候群(重症化すると命に関わる)
放置すると死に至ることもある危険な病気です!
< フィラリア症の治療方法>
🩺 外科的摘出手術
➡ 心臓内に寄生したフィラリアを直接取り除く方法
💊 駆虫薬の長期投与
➡ 症状がない軽度の感染なら、長期間の投薬で成虫を駆除
➡ 死んだフィラリアが血管内で詰まるリスクを避けるため、ステロイド剤を併用することも
💡 しかし、一番大切なのは「予防」です!
<🔰 フィラリアの予防方法>
フィラリアの予防には駆虫薬の投与が必要です。
⚠ 駆虫薬は動物病院での処方が必須!
駆虫薬は要指示医薬品のため、フィラリア感染の有無を事前に血液検査で確認してから処方されます。
もしフィラリアが寄生している状態で誤って駆虫薬を投与すると…
❌ 大量のフィラリアが一度に駆除され、血管に詰まる
❌ 大静脈症候群・アレルギー反応・心停止のリスクが高まる
➡ そのため、予防薬を飲む前に必ず検査が必要です!
<フィラリアの検査方法>
フィラリア検査は血液検査で行います。
1️⃣ フィラリア抗原検査(成虫の抗原があるかを検査キットで確認)
2️⃣ 集虫法(顕微鏡でミクロフィラリアの有無を確認)
💡 予防薬をしっかり飲んでいたのに「陽性」になることも!?
フィラリア検査で陽性になる原因
✅ 体調不良(嘔吐・下痢で薬が吸収されなかった)
✅ 冬の蚊に刺された(温暖化の影響で冬のフィラリア感染リスクが増加)
✅ 薬の投与ミス(スポット薬が足りなかった、飲んだ後に吐いた)
➡ 薬の種類が合わない場合はご相談ください!
チュアブル・錠剤・ビスケットタイプなど、さまざまな種類があります。
< 予防のタイミング・期間>
フィラリアの予防は、蚊が発生してから1か月後に開始し、蚊がいなくなった1か月後まで続ける必要があります。
📍 愛知県のフィラリア予防推奨期間
✅ 4月~1月(最低でもこの期間は予防)
✅ 冬でも蚊がいる地域では「通年予防」も推奨!
当院では、1回の投与で「フィラリア・ノミ・マダニ・お腹の寄生虫」をまとめて予防できる薬を取り扱っています。
また、飲むのが苦手な子には**スポットタイプ(皮膚に垂らすタイプ)**もご用意しています!
✔ フィラリアは予防薬を正しく投与すれば100%防げる病気
✔ 動物病院での検査・診断が必須!