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オリバ通信

2024年07月23日 / 病気のあれこれ / 犬のよくある病気・疾患 / 感染症

犬のパルボウイルス感染症について獣医師が解説

豊橋市、豊川市、新城市、田原市、浜松市、湖西市のみなさんこんにちは。
愛知県豊橋市のオリバ犬猫病院の獣医師の辻元です。
今回は、犬のパルボウイルス感染症の症状と原因、当院での治療について説明をさせていただきます。
この病気は特に子犬にとって危険ですが、正しい知識と予防策があれば、愛犬を守ることができます。

目次:

・パルボウイルス感染症とは
・感染経路と症状
・診断と治療法
・予防方法
・よくある質問(FAQ)

<パルボウイルス感染症とは>

パルボウイルス感染症は、犬パルボウイルス(CPV)によって引き起こされる非常に深刻な感染症です。この病気は主に生後6週間から6ヶ月齢の子犬に多く見られますが、成犬でも感染する可能性があります。

パルボウイルスの特徴:

・非常に感染力が強い
・環境中で長期間生存可能
・特に子犬の免疫系に大きなダメージを与える

<感染経路と症状>

感染経路:

・感染した犬の糞便との直接接触
・ウイルスに汚染された物(食器、玩具など)との接触
・人の靴や衣服を介した間接的な接触

主な症状:

・激しい嘔吐と下痢(多くの場合、血便)
・食欲不振
・発熱または体温低下
・脱水
・無気力・活動性の低下

特に激しい下痢症状を示し、症状の進行は非常に早い。適切な治療を受けなければ24~48時間以内に死に至る可能性があります。特に子犬の場合、症状が重篤化しやすいので注意が必要です。

<診断と治療法>

診断: 獣医師による診察が不可欠です。以下の検査が行われます。

・血液検査
・糞便検査
・パルボウイルス抗原検査

治療法: 現在、パルボウイルス感染症に対する特効薬はありません。主に対症療法が行われます。

主な治療内容:

・点滴による水分補給と電解質バランスの回復
・抗生物質の投与(二次感染の予防)
・制吐剤の投与
・栄養サポート
・必要に応じて輸血

治療は入院が必要となり、回復までに1週間以上かかることもあります。早期発見・早期治療が非常に重要です。

<予防方法>

パルボウイルス感染症は予防が可能です。以下の方法で愛犬を守りましょう。

  1. ワクチン接種
  • 生後6~8週齢から開始
  • 2~4週間間隔で3回接種
  • その後、年1回の追加接種
  1. 衛生管理
  • 犬の生活環境を清潔に保つ
  • 外出後は愛犬の足を洗う
  • 定期的におもちゃや食器を消毒する
  1. 子犬の外出制限
  • ワクチン接種が完了するまで、公共の場所への外出を控える
  1. 健康管理
  • 定期的な健康診断
  • バランスの取れた食事の提供
  • ストレス軽減

<まとめ>
パルボウイルス感染症は犬、特に子犬にとって非常に危険な病気です。しかし、適切な予防策と早期発見・早期治療により、愛犬を守ることができます。定期的なワクチン接種と日々の健康管理を心がけ、少しでも異変を感じたら迷わず獣医師に相談しましょう。

 

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