豊橋市、豊川市、新城市、田原市、浜松市、湖西市のみなさんこんにちは。
愛知県豊橋市のオリバ犬猫病院の獣医師の辻元です。
今回は、猫の肥満細胞腫の症状と原因、当院での治療について説明をさせていただきます。
<要注意!5つのチェックリスト>・脱毛がある
・皮膚が痒そう
・しこりができた
・食欲がない
・下痢や嘔吐をする
このような場合『肥満細胞腫』の可能性があります
<肥満細胞腫とは>
肥満細胞というアレルギーや炎症に関与する免疫細胞が腫瘍化してしまったものです。肥満細胞の中にはヒスタミンやヘパリンなど様々な物質が含まれており、それが放出されることで痒みや炎症、低血圧、消化管潰瘍などが起こります。肥満細胞腫には皮膚型と内蔵型の2種類があります。
皮膚型
・全身のどこにでも発生する可能性あり(特に顔、耳、四肢に多い)
・比較的良性で、穏やかな経過をたどることが多い
・18%の猫で内臓にも肥満細胞腫が発生する可能性あり
内蔵型
・主に脾臓や消化管(特に小腸)に発生
・転移しやすく、比較的悪性
・症状が出にくいため、発見が遅れることも
<肥満細胞腫の原因>
原因は詳しく解明されていません。犬では細胞の分裂に関与するKIT遺伝子の変異が1つの原因と考えられているので、猫でもKIT遺伝子の変異があるのではないかと考えられています。
<肥満細胞腫の治療法・3つのアプローチ>
肥満細胞腫の治療は、タイプや進行度に応じて以下のように行われます
1外科的治療・皮膚型:腫瘍の切除
・内臓型(脾臓):脾臓の全摘出
2放射線療法・化学療法
・手術が適応できない場合に検討
・特に消化管の肥満細胞腫で考慮される
3分子標的薬
・腫瘍特有の分子をターゲットにした内服薬
・従来の抗がん剤より副作用が少ない
・定期的な血液検査が必要