豊橋市、豊川市、新城市、田原市、浜松市、湖西市のみなさんこんにちは。
愛知県豊橋市のオリバ犬猫病院の獣医師の辻元です。
今回は、犬の角膜潰瘍の症状と原因、当院での治療について説明をさせていただきます。
<はじめに>
愛犬の目の健康が気になる飼い主の皆さま、こんにちは。今回は、犬の目によく見られる病気の一つ、「角膜潰瘍」について詳しく解説します。
<犬の角膜潰瘍:こんな症状に要注意!>
以下の症状が見られたら、角膜潰瘍の可能性があります:
- 目が痒そうな様子
- 涙や目やにが多い
- 目が赤い
- 瞳孔が小さくなっている
- 目の表面に凹凸がある
これらの症状に心当たりがある場合は、獣医師への相談をおすすめします。
<角膜潰瘍とは?>
角膜潰瘍は、目の表面にある透明な膜(角膜)に傷ができる病気です。角膜は3層構造になっており、外側から順に:
- 角膜上皮
- 角膜実質
- デスメ膜
これらの層が何らかの原因で欠損すると、角膜潰瘍となります。
角膜潰瘍の種類
欠損の深さによって、呼び名が変わります:
- 角膜びらん:最も浅い
- 角膜実質潰瘍:中程度
- デスメ膜瘤:深い
- 角膜穿孔:最も深刻
角膜には血管がないため、特に深い潰瘍は治りにくく、最悪の場合、失明につながる可能性もあります。
<角膜潰瘍の原因>
主な原因には以下があります:
- 外傷:引っかき傷などによる損傷
- 慢性的な刺激:逆さまつ毛やまぶたの巻き込み
- 乾燥:短頭種(パグなど)や涙の量が少ない犬に多い
- 感染:特に細菌感染が多い
<角膜潰瘍のリスクが高い犬種>
- 短頭種(パグ、ブルドッグなど)
- 眼球が突出している犬種
これらの犬種は、目が乾燥しやすく、外傷も受けやすいため、特に注意が必要です。
<角膜潰瘍の治療法>
治療法は潰瘍の深さや原因によって異なります:
- 浅い潰瘍の場合:
- 抗生剤入りの点眼薬を使用
- 1日数回の点眼を継続
- 改善が見られない場合:
- 血清点眼を使用(細菌が出す有害物質を抑制)
- 深い潰瘍の場合:
- 眼瞼縫合(まぶたを一時的に縫って目を閉じる)
- 角膜の回復を待つ
<予防法>
- 定期的な目の観察
- 適切なグルーミング(目の周りの毛のケアなど)
- 乾燥しやすい犬種は、こまめに目薬を使用
<まとめ>
角膜潰瘍は早期発見・早期治療が重要です。愛犬の目に異変を感じたら、すぐに獣医師に相談しましょう。定期的な健康診断も、予防には効果的です。