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オリバ通信

2024年04月09日 / 病気のあれこれ / 犬のよくある病気・疾患 / 予防

フィラリアはなぜ検査が必要なのか?|獣医師が解説 愛知県豊橋市のオリバ犬猫病院

豊橋市、豊川市、蒲郡市、新城市、田原市、浜松市、湖西市のみなさんこんにちは。
愛知県豊橋市のオリバ犬猫病院の院長辻元です。
今回は、犬のフィラリア検査の必要性について説明をさせていただきます。

<フィラリアとは>
犬の飼い主なら馴染みのある”フィラリア”、
犬糸状虫とも言われます。
蚊に刺される事で身体に侵入し、肺や心臓の血管に寄生する虫のことです。
人獣共通感染症ですので、人や猫などにも寄生します。

<蚊がいる時期・場所>

蚊は約20℃〜30℃の気温を好みます。
なので基本的には春から秋にかけて活発に活動します。
しかし、冬は気温が下がり活動しない…と思われがちですが、室内は20℃以上の事がほとんどですので冬は室内で冬を過ごす事ができます。
基本的に犬の散歩の時に刺される事が多く、プランター・水溜り・地下などの湿気やじめっとした通気性の悪い場所などは要注意です!高層マンションなどの高い階の部屋も、エレベーター・吹上・人にくっついて入ってきます。
フィラリアは初め成虫になるまで段階を踏みながら寄生します。

<フィラリアの寄生サイクル>


①フィラリアにかかった犬(フィラリア症)の血を蚊が吸う
         ↓
②血と一緒ににフィラリアの幼虫である
ミクロフィラリアを蚊が吸う
         ↓
③蚊の体内で成長する
         ↓
④蚊が感染していない健康な犬の血を吸う
△その時にフィラリアが健康な犬の体内へ侵入
         ↓
⑤身体の中を移動しながら成長して心臓・肺動脈へ寄生します(心臓に到着するまで約3ヶ月程)

           ↓
・肺動脈内で3ヶ月で成虫になり、ミクロフィラリアをたくさん産む
          ↓
⑦ ①に戻って、他の犬に寄生するサイクルを繰り返す


<フィラリアが寄生すると>
フィラリアは肺や心臓に寄生する事で全身の循環器機能、肺の機能、心臓の機能に障害を与えます。
主な症状として
・軽い運動で疲れやすくなる
・元気・食欲がない
・呼吸困難
・尿が赤い
・お腹が膨れている(腹水)
・大静脈症候群
などがあります。
放っておくと命に関わる危ない寄生虫です。

<フィラリア症(フィラリア寄生)の治療方法>

・外科的に摘出
心臓内のフィラリアを直接取り除く方法

・駆虫薬の長期投与
寄生している成虫が少なく、フィラリアによる症状がない場合の治療です。
数年単位の長期投与で成虫が自然に減るのを待つ治療です。
場合によってはステロイド剤を使って免疫を抑制させ死んだフィラリアのアレルギーによるショック症状を防ぐ方法もあります。

しっかりフィラリア症の予防をする事で犬の健康を維持できます。


<フィラリアの予防方法>
フィラリアの予防にはフィラリアの駆虫薬を投与しますフィラリアの駆虫薬は要指示医薬品です。
なので動物病院でフィラリアにかかっていないか検査してから処方することが定められている薬です。もし、フィラリアが寄生していると知らずに駆虫薬を投与すると一度に大量フィラリアが駆除され、心臓や、血管内で詰まったりして大静脈症候群、アレルギー、心停止など重篤な症状が起きます。
フィラリアはしっかり駆虫薬を飲んでいれば予防できる寄生虫です。

<フィラリアの検査方法>
フィラリアの検査は血液検査で行います。
診断方法には2通りあります。
①フィラリア抗原検査
検査キットを用いたフィラリアの成虫の抗原があるかの検査です。

②集虫法
顕微鏡を用いた血液内にミクロフィラリアを確認する検査です。


駆虫薬を飲んでるのにフィラリア検査で陽性!?

・体調不良
→嘔吐や下痢、消化不良などがあるとしっかり薬剤が吸収されない場合があります。

・冬に刺される
→予防シーズンの最後に飲んだ後に蚊に刺された
△温暖化で暖かい冬があり、冬にも蚊を目にする事が増えてきて、冬のフィラリア予防をされる方もいます。希望があれば当院でも処方致しますので一度ご来院、ご相談ください

・上手く投与できなかった
→スポットタイプは全部の量を身体に滴らせなかった。
飲むタイプは飲ませた後に吐き出してしまった
△飲むタイプの薬はチュアブル、錠剤、ビスケットの3種類の匂い、食感、味別に種類があります。吐き出してしまう場合はご相談下さい

などいろんな理由で陽性となる場合があります。

<フィラリアの予防のタイミング・期間(蚊の観測期間△愛知県の報告)>

投与開始
蚊の発生から1ヶ月後が投与開始
      ↓
      ↓
最終投与  ↓
蚊が居なくなって(最終観測)1ヶ月後まで

地域や温暖化で年によって予防期間は変わります。冬でも蚊がいる地域もある場合は通年予防(1年中の予防)も有効!!

フィラリアの予防は最低でも4月から1月です。処方するまでに必ず獣医師の検査・診断が必要です。当院では、フィラリアだけでなくノミ・マダニ・お腹の寄生虫を1回の投与で駆虫、予防できる飲むタイプの薬を取り扱っております。他にも飲むのが苦手な子にはスポットタイプのフィラリアの駆虫薬も取り扱っております。ご気軽にご来院ご相談下さい。


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