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オリバ通信

2022年07月22日 / 病気のあれこれ / 犬のよくある病気・疾患 / 内科

犬の糖尿病の症状と原因、治療について|獣医師が解説


豊橋市、豊川市、新城市、田原市、浜松市、湖西市のみなさんこんにちは。
愛知県豊橋市のオリバ犬猫病院の院長辻元です。
今回は、犬の糖尿病の症状と原因、当院での治療について説明をさせていただきます。

<糖尿病の症状>
水を飲む量が増えた
おしっこの回数が多い、もしくは量が多い
食べてる量は同じでも痩せてきてる
目が白くなってきた
傷の治りが悪い

<糖尿病の原因>

①インスリン欠乏
犬の糖尿病は膵臓の機能が破壊されてインスリンが出なくなる「1型糖尿病」が多いです。
インスリンの欠乏により高血糖が維持され、さまざまな代謝異常を引き起こします。

②インスリン耐性
インスリンが欠乏する以外にもインスリンが効きづらくなる(耐性をもつ)場合があります。インスリンが効きづらくなる理由があると、よりインスリンを出そうとして膵臓が疲弊して出せなくなる事もあります。
どちらも初期症状を見逃してしまうと糖尿病性ケトアシドーシスと言う病態に陥り命にかかわる事があります。

<犬が高血糖になる理由BEST3>
①基礎疾患として1番多いのがクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)です。これは体のなかでステロイドが出すぎてしまう疾患で二次的に糖尿病の状態に陥っている事があります。この場合はクッシングの治療も必要とします。
同様に、他の治療目的でステロイド薬を高用量、長期間使用していると医原性クッシングになっている事もあります。医原性の場合は状態によってステロイドの使用量を調節する必要があります。

②2番目に多いのが未避妊雌の発情と偽妊娠です。発情から偽妊娠期間中の2~3か月の間は「プロジェステロン」と言うホルモンが分泌されます。このプロジェステロンはインスリンに効きを悪くしてしまいす。場合によっては避妊手術が必要となります。

③インスリンは膵臓から分泌されますがそこが傷害を受けたり疲弊してもインスリンの分泌ができなくなります。膵炎などがある場合はその治療も必要になります。

<豊橋市のオリバ犬猫病院での治療法>
BEST3にあるような基礎疾患をまずしっかりと治療した上での血糖コントロールを行います。
基本的には「1型糖尿病」インスリン欠乏・耐性なので犬の場合は家でもインスリンを打ってもらう事が多いです。
糖尿病性ケトアシドーシスに陥っている場合は緊急の入院を必要とします。
食事管理も重要で、膵臓に負担の少ない食事などを与えます。インスリンの量には個体差があり、使用開始時には低血糖などにも注意が必要です。食事管理とインスリンの量が決まれば定期的に血糖測定で経過観察します。
決まったタイミングで決まった量のインスリンを打つのが重要です。。
家でインスリンを打つのが難しく感じるかと思いますが、病院でしっかりと練習もしていただきますので安心して来院してください。


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