豊橋市、豊川市、新城市、田原市、浜松市、湖西市のみなさんこんにちは。
愛知県豊橋市のオリバ犬猫病院の院長辻元です。
今回は、犬の椎間板ヘルニアの症状と原因、当院での治療について説明をさせていただきます。
<椎間板ヘルニアの症状>
・歩くのが遅くなった・歩き方が変
・前肢、後肢のいずれかがもつれる
・足の甲が地面に着いてる
・抱っこした時にキャンと鳴いた
・段差の上下を嫌がった
・排便、排尿困難
・脱糞、失禁してしまった
<椎間板ヘルニアとは>
椎体と椎体(背骨と背骨)のクッションの役割を果たす椎間板が、脊髄(背骨の上を走る神経の束)を圧迫する事で神経伝達が遮断されて麻痺などの症状が出る事を言います。
椎間板ヘルニアは大きく分けて2種類あります。
①ハンセン1型
椎間板の中身を髄核と呼び、何らかの原因で椎間板が破裂した時に飛び出した髄核が脊髄を圧迫してしまう椎間板ヘルニアを「ハンセン1型椎間板ヘルニア」と言います。
そのためギックリ腰のように症状は突然表れます。
「何らかの原因」で一番多いのが、軟骨異栄養犬種と呼ばれる犬種です。ダントツに多いのはミニチュアダックスフンドです。とにかくダックスフンドは多いです。
軟骨異栄養犬種とは椎間板の変性が比較的速く進行し若齢からでも発症がみられる遺伝をもつ犬種の事を言います。変性して弾力性を失った椎間板は衝撃などのダメージにより髄核が飛び出しやすく「ハンセン1型椎間板ヘルニア」を起こしやすいなります。
②ハンセン2型
ハンセン1型と違い慢性進行性を主とする病態で、簡単に言うと「年のせい」のようなものです。
なのでハンセン2型は高齢の犬ならみんななりえます。
<椎間板ヘルニアのグレード分類>
椎間板ヘルニアの発症部位は頸部で約27%、胸腰部で約73%です。
胸腰部のグレードは5段階に分類されます。
<豊橋市のオリバ犬猫病院での治療法>
椎間板ヘルニアの治療は大きく分けて2種類あります。内科的治療、外科的治療です。
内科的治療の場合は注射や内服薬でとにかく炎症を抑える事が重要です。飛び出した髄核を取り除かず髄核周囲の起こっている炎症や浮腫などを取り除き脊髄への圧迫を軽減します。状態によって数週間単位で薬を減らしていきます。途中、悪化や内科的治療の反応が悪い場合は外科的治療をすすめます。
外科的治療の場合はレントゲン検査だけでは診断が難しく当院では紹介をさせてもらいます。
椎間板ヘルニアは発症から治療までの時間が早ければ早いほど治療への反応が良いためおかしいと思ったらすぐに病院に行ってください。
<椎間板ヘルニアの予防>
犬種的な遺伝などは予防のしようがありませんが家でできる予防法を紹介します。
①絶対に太らせない
人と違い四つん這いの犬は太らせてしまうと背骨のモロに負担がかかります。避妊や去勢で太りやすくなった子はダイエット食などで体重管理を徹底しましょう。
②フローリングや段差を避ける
フローリングや風呂場のように滑りやすい場所では特に注意が必要です。滑った瞬間にギックリ腰のようになりやすいです。
③爪と足裏の毛をこまめに切る
アスファルトの上を散歩すると自然に爪は削れますがそれだけでは伸びすぎてしまう事があります。同様に肉球の間の毛が伸び過ぎても滑りやすくなります。肉球が乾燥で割れてしまっている子はワセリンなどでの保湿も有効です。